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メーカーの純正品などに多い35wと後付で多く販売されている55wの二つの種類があります。それぞれメリットとデメリットが多少あり、好みもありますが明るさなどに違いがあります。いくつか特徴を説明していきますので、自分にあったHIDを選んでほしいと思います。
まず基本的なこととして35wと55wの違いですが、文字通り消費電力に違いがあります。ヘッドライトはバッテリーやオルタネータ(発電装置)から電気をもらいそれを光へ変えますが、その電力をどれだけ使用するかによって明るさが異なります。
もちろん消費電力が多い方が発光する能力も高いのが一般的ですが、HIDはハロゲンに比べ少ない消費電力でも数倍の明るさにすることができます。これは構造的なことなので比べることができませんが、同じものならやはり多くの電気を使用した方が明るいのは確かです。
35wと55wの違いとは実は二つあり、制御部分であるバラストの出力と発光部分であるバルブの入力のことであり、どちらか一方が異なると十分な性能を発揮できないばかりか、問題が発生します。
コンバージョンキットなどを利用すれば、バラストとバルブそれぞれが異なる組み合わせなど通常はないのですが、別々で購入したり単体で交換するなどする場合は、接続や取り付け、実際の使用は可能なのかといった疑問もあったり、壊れてしまわないかと不安になることもあるでしょう。
今のところどの組み合わせでも壊れたりということはないようですが、35wのバルブに55wのバラストを組み合わせると明るくはなるようだが、寿命が短くなる可能性が示唆されるという。逆に55wのバルブに35wのバラストを組み合わせると必要な電圧が足りずに暗くなったり、付いたり消えたりする可能性があるらしい。他にも色温度に変化が出たりと意図しない結果になるかもしれない。
35wと55wのバルブでは太さや放電部が大容積化されるなどの違いがあるようです。発光部のサイズが変わり1.2倍という数字もあります。メーカーによって違うようですが、専用品として作られているようです。バラストは内部の回路や部品単位で違うようですが、外から見る限りではわかりにくいはずです。
最終的に発光するのはバルブですが、電力を供給するのはバラストですので、明るさを決めるのはバラストといってもいいでしょう。35wから20wも多い55wではそれだけ供給できる電力が多いわけですので、当然明るくなります。それに対しバルブはどれだけの電力を入力できるか耐久性に問題があります。寿命が短くなったり、色温度が低下したりと多少の変化はあるでしょう。
中国産など海外のものに多いと言われるのがスペック通りの出力が出ていない製品です。55wと表記されていても実際には85%程度の出力で、入力は55wだが出力は47w程度ということがあるらしい。高性能なバラストでも変換効率は80〜85%ということで、入力自体をもうちょっと上げないといけないのかなーと思ったりもするのですが、出力値で表記してくれたらわかりやすいと思います。
35wと55wでは消費電力の違いは当然ですが、明るさも違います。それにともなった発熱量も違いがあり、リフレクター焼けが起こることもあるようです。原因はバルブから発せられる紫外線ということですが、安価なものは耐紫外線の加工などがされていないので、樹脂レンズなどを劣化させるようです。特に出力の大きなハイワッテージタイプの55wは影響が大きいようです。
HIDでは口軸の狂いまたは配光が綺麗にでないということもあるようで、リフレクターやランプASSYを新品に取り替えることを進める所もあり、ハロゲンからの交換では注意が必要です。
価格は35wの方が少し安いようなので、手軽にHIDにしてみたいとか光の色を変えたいだけとかなら消費電力の少ない方を選ぶのも選択肢の一つです。燃費には影響がないと主張する人がいますが、本当はないのではなく誤差程度の小さな違いでしかないということです。
消費電力に応じて発電するオルタネータは、発電量を調整してエンジンに対する負荷を変えます。オルタネータの発電効率を考えヘッドライトの点灯を100w程度とした場合は、計算上で約1%程度の燃費悪化ということになり、数十ワットの節約でどれだけ燃費が変わるかは疑問の残るところかもしれませんが、自動車のシステム全体で考えた場合に消費電力が少ない方が燃費がいいという結論に変わりはありません。
55wの光は眩しいと思われる方が多いようで、原因は光軸の調整など作業によるものなのか、ハロゲンなど暗いライトの使用者側による錯覚なのかは判断が難しいところですが、35wでも3倍55wでは6倍明るいといわれているだけに多少は眩しく感じるところがあるかもしれません。
設置場所や取り付け作業自体に違いはなく、部品自体も大きな差があるわけではないので、その辺は問題ないでしょう。
実際に点灯した場合の視界の範囲などをロービームやハイビームで比べてみると、ハロゲンに比べて明るく広い範囲が見えるようになっていることが一目でかわると思います。55wでは更に遠くまで見えるようになり視界の広さがわかります。ハイビームでは配光を切り替えるタイプでは、手前に集まっていた光が分散されたため遠くまで届くが暗くなってしまった印象を受けるかもしれません。この辺はHIDの仕様を確認してもらう方がいいでしょう。