タイヤと燃費と空気圧

地球環境に対して私たちが今できること。

エコドライブサポート・プロジェクト

ある小さなタイヤ屋に一人の青年が一生懸命働いていました。従業員は自分を含めて3人。設備が整っているわけではない。その青年はその小さなタイヤ屋を大きくする夢を持ち成長を続けていました。タイヤに興味を持ち、経営を学び、客のことを考えることを知りました。乗り越えられない壁は日々大きくなって自分自身を襲ってくる。耐え難い苦痛と先の見えない未来は不安だけを残す。時と共に彼への試練はさらに厳しく辛いものとなった・・・

地球環境の問題がささやかれる昨今、二酸化炭素を排出する自動車の燃費は大きな課題として注目されています。ガソリンなどの燃料を消費して走るということや、一般市民の生活に強く根付いているからこそ、身近であり、考えなければならないこととして意識されるのです。

燃費というと高性能なエンジンや革新的な技術に目がいくかもしれませんが、誰もが最新の高級な新車に乗り換えなければならないという結論には至りません。それよりもっと簡単に「エコ」を実現する方法があるのです。

“タイヤの空気圧を定期的にチェックすること”それだけで燃費は変わります。適正な空気圧を保つことができれば、ハンドルは軽くなるし、燃費もよくなる。タイヤの寿命だって延びますし、安全運転にもなります。ちょっとしたことかもしれませんが、みんながやれば大きな環境対策になるのです。ガソリンを入れる時に一声かけるだけで、やってくれるものです。いまから始めてみませんか?

タイヤで燃費は変わる -エコタイヤ-

日々のメンテナンスで最適な性能を

No.001 -空気圧による違い-

自動車の走行には欠かせないタイヤですが、「タイヤで燃費は変わる。」そのことを知らない人が、まだ大勢いることはあまり知られていない。燃費の向上は、消費者個人への利益もあるが、地球環境を考える意味でも非常に大切なことである。

タイヤの最適な空気圧は、車種やタイヤのサイズ、タイヤの位置などによって違います。運転席のドアを開けた所に指定空気圧と書かれたシールが貼ってあるのをご存知でしょうか。

純正のタイヤを装着していれば、シールに載ってある指定空気圧が最適といえますが、インチアップやインチダウン、またはサイズの変更など、最適な空気圧が変わってくる場合があります。

空気圧によって、燃費はもちろんのこと、乗り心地やハンドリングなどの操作性、タイヤの磨耗など、タイヤの性能そのものまで変わってきます。細かい調整までは必要ありませんが、パフォーマンスが明らかに変わる程の空気圧不足や、入れすぎに注意しましょう。

燃費のいいタイヤ選び

No.002 -空気圧による燃費-

金属製のホイールにゴムのタイヤで、自動車は支えられていますが、タイヤの空気圧は、性能を左右する非常に重要な要素です。空気圧に異常があれば車は走れなくなることもあるし、空気圧さえ確保できれば走れることもある。

現代の一般的なタイヤは、チューブを持たないラジアルタイヤです。タイヤを形成するコードも垂直に入っており、斜めに入っているバイアスタイヤに比べ、耐磨耗性や操縦安定性など、大きなメリットがあります。

いくら優れた特徴を持っていても、タイヤに適正量の空気が入っていなければ、本来の性能を引き出すことができません。空気圧が適正でなければ、燃費や耐磨耗性、乗り心地、制動力・駆動力に影響を与えます。

タイヤの空気圧が低いと、形を歪め、目に見えてヘコんでいるのがわかります。一見してヘンんでいないようでも、空気圧が低いと、転がり抵抗が増し、燃費の悪化を招きます。

タイヤの形状が変形するような空気圧不足の状態で、高速走行を続けると、タイヤが波打ち変形する「スタンディングウェーブ現象」を起こす場合もあります。そのままの状態で走り続ければ、タイヤが急速に加熱され、短時間でバーストする恐れがあります。

タイヤは金属のように密封することができないので、微少ながら空気が漏れるという。確かに時間の経過と共に空気圧は減少するので、それは正しいのかもしれない。

今日正しい空気圧を保ったとしても、数週間後に同じとは限らない。月に1回くらいはチェックした方がいいと思う。指定の空気圧よりも少し高めの方が、燃費が向上するらしい。だが高く入れすぎるのは、乗り心地の悪化や片磨耗を引き起こす。

燃費のいいタイヤを選んでも、最適な空気圧が確保できなければ、タイヤ本来の性能は引き出せない。逆に最適な空気圧を確保できるのであれば、より燃費のいいタイヤを選ぶことが、経済的にも地球環境にも優しい。

燃費を改善する空気圧チューニング

No.003 -空気圧の規定値-

決められたことを守るのは最低限のマナーですが、タイヤの空気圧を規定値で保つのもマナーなのかもしれません。低すぎても高すぎても、財布にも地球環境にもよくないですからね。

タイヤの空気圧によって燃費が変わるのは、ご存知だと思いますが、その理由と活用法を知っているでしょうか。知っていると得をする、空気圧によるタイヤの変化について教えましょう。

空気圧の規定値は、車種によって変わりますが、2.0kg/cuから2.2kg/cuくらい。少し高めの2.5kg/cuくらいでも燃費が向上する最適な値となります。高速道路を走行する場合は、0.2〜0.3kgf/cu高めの空気圧にします。

タイヤに空気を充填する場合は、走行前のタイヤが冷えている時に行い、最高限度を超える空気圧(MAX PRESS)を補充しないで下さい、2〜3倍までは耐える設計になっているようですが、メーカーの保証外となるそうです。

走行中やその直後は、タイヤ内部の温度上昇により圧力が上昇していますが、2割増し程度は想定内だそうで、特に問題はありません。激しいスポーツ走行をしないのであれば、規定値から大きく外れることはないでしょう。

逆に空気圧が時間と共に自然に抜けることを理解し、月1回程度の空気圧の点検を行い、常に最適な圧力値になっているかチェックしたいものです。

空気圧不足・過多の場合

燃費の改善には、空気圧が規定値か少し高い方が良いとはされていますが、高くなりすぎると、タイヤの中央だけで路面と接地することになり、グリップの低下やタイヤ中央の異常磨耗が起こりやすくなります。

少ないと、主にタイヤの両肩部が路面と接地し、転がり抵抗の増加とタイヤのショルダー部の異常磨耗につながります。グリップ力が増したり、激しい走りの時には規定値に近い圧力になったりしますが、少なすぎるとバーストの危険もあります。

空気圧が高すぎると路面との接地面積が減少し、制動能力・駆動能力ともに低下する傾向にあります。低いと接地面積は増えますが、タイヤの戻ろうとする力が失われ、コーナリングフォースが生まれず曲がりにくくなる。

走行に適した空気圧は、それほど狭い範囲ではないので、定期的にチェックして充填を行いましょう。燃費を重視する少し高めに設定するか、グリップを確保する低めにするかは、好みによって試しながら変えていけばいいのではないでしょうか。

燃費がよくなると起こる、こんなイイこと!

No.004 -燃費向上のヒント-

お金を掛けなくても、ちょっとした手入れによって燃費は変わります。空気圧もその一つですが、違いが出るならできるだけ早くやった方がお得な気がしませんか。即実行も一つのポイントです。いますぐチェックしてみましょう。

タイヤによって燃費が変わることは知られていますが、燃費が向上することでどのようなメリットがあるのでしょうか。経済的な理由だけでないということを、今一度再認識したいものです。

燃料の消費が効率よく行われることによって、少ない燃料でより多くの仕事をしてくれることになります。つまり燃料消費はすくないのに、よく走る車になるというわけです。

もちろん消費が少ないということは、補給の回数や量が減るということです。サイフからお金の出る回数が減るか、一度に出ていく金額が少なくなるのです。それは逆に言えば、残るお金が多くなるということです。

経済的な面も大きいのですが、地球環境を考えるという意味でも、非常に大きな成果があります。限られた資源の消費にブレーキを掛けると共に、CO2の削減など温暖化の防止にもなるからです。

みんなの小さな違いが、大きな結果になる!

一台一台の燃費向上のメリットは、個人のレベルだと経済的な理由が一番に挙げられ、地球環境の保護などは注目されていませんでした。しかし急速な地球環境の変化に国家レベルで対応するべき課題となっている気がします。

燃費が向上することで、仕事に必要なエネルギーを効率よく使えますから、絶対的な消費量は減少するし、それに伴って排出されるCO2など排気ガスも減少することになります。

燃料の原料となる原油など地球の資源は、限られています。掘り起こせば無限に溢れ出るものではありません。限りある資源は、より有効に使っていかなければならないのです。

一人一人のちょっとした燃費向上の努力も、国のように大きなスケールで考えると、小さな違いではなくなるのです。全ての人に燃費向上の知識と技術が身に付くと地球の未来も明るいだろうな。

いますぐできる燃費向上のテクニック

No.005 -燃費向上のテクニック-

燃費が悪いと余計な出費や、無駄な燃料の消費が行われます。燃費を向上させる手段は色々ありますが、必ずしも新しい部品や燃料添加剤など、出費を伴うものではありません。お金を掛けなくてもできる燃費向上のヒントを見つけませんか。

普通にクルマを運転しているのと、燃費を意識して運転しているのでは、燃料の消費量は違います。運転のテクニックは、レーサーのように速く走らせたり、狭い路地を通り抜けたりといったものだけではありません。

無駄な燃料の消費を抑え、少ない燃料で効率よくクルマを走らせることができれば、無駄な出費を抑えCO2の排出も削減することができ、経済的にも地球環境にも優しいことになります。

とは言っても燃費というのは簡単に良くも悪くもなり、気にせずやっていたことが燃費向上にいい場合も、逆に悪い場合もあります。小さなことが大きな違いに、大きな結果は小さな違いからかもしれません。

リッターあたり1Kmの違いは、意外にもアクセルを踏む数ミリの違いかもしれないのです。やり方や考え方を知れば誰でも簡単に燃料の消費を抑えることができるのです。

燃費が向上する方法とは

無駄な燃料の消費を抑えるためには実際に何をすればいいのでしょうか。具体的に言えば、適度な加速を行うアクセルコントロールや、無駄な荷物を積まない軽量化、タイヤの空気圧管理などのメンテナンスが挙げられます。

車本来の性能というのは基本的に変わったりしませんが、乗り手のテクニックや車の走る環境や状況というのは常に変化するものです。それを意図的に変えていくことで燃費を向上させることが可能となります。

意識的に車が走る環境を整えることで燃費が向上するというのは、知らなかったという人もいるでしょうし、知っていても何一つ具体的な対策や手段をとらなかった人もいることでしょう。

あなたはここ一ヶ月以内にタイヤの空気圧調整をしたでしょうか。半年くらい使ったりしていない荷物が車のトランクに入っていないでしょうか。普段のカーライフの中に燃費向上のヒントは隠されています。

相乗効果が期待できる軽量化

No.006 -燃費向上と運動性能-

車の加速や減速、コーナーリングなどの性能というのは、走る・止まる・曲がるといった車の基本的なものです。この基本性能は、燃費とも密接な関係を持っています。カーオーナーにとってメリットの大きな走りと燃費の相乗効果を考えてみましょう。

車の走りは、エンジンパワーやタイヤのグリップだけでは決まらない。万物に共通する物理的な制約が、車にも例外なくあるのである。重い車は動きが鈍くなる。

車の重さは、車体の重量にドライバーや積載している荷物の合計で決まります。荷物とはいえ重くなれば、車の基本的な運動性能に悪影響を与えます。

さらに厄介なのが、重量の増加が運動性能以外にも燃費の悪化を招くということです。逆に考えれば車両の軽量化は、運動性能の向上と燃費の向上に有効ということです。

では、車の重量を軽くする軽量化の方法にはいったいどんなものがあるのでしょうか。簡単なことから高度なものまで、まずはご紹介しましょう。

車の重さ

車両本体に内装パーツや外装パーツを組み合わせた純粋な重さは、乾燥重量と呼ばれるガソリンやオイル、冷却水を含まないもので、スペックが記載された諸元表に載っています。

必要なガソリンなどを含めた重量を装備重量といい、バイクではライダーを加えた重量を車両総重量としている。車では、荷物もたくさん積めますし人も複数人乗ることができます。

燃費の向上には、まず余計な荷物を減らし総重量を減らすことが最優先です。効果は薄いかもしれませんが、小さなことも積み重ねれば大きなことになります。

さらに運動性能を向上させるために、車両本体の軽量化を行うことも可能です。軽い素材のボンネットやドアなどパーツ交換から、快適装備の取り外しなど、対価を支払えばそれなりに燃費と運動性能は上げられます。

使わないことこそ究極の節約

No.007 -戦略的燃費向上論-

いくら燃費のいい車を乗っていようと、どんなに頑張って効率的な走らせようと、走る限り燃料は減っていきます。燃料の節約に最も効果的なのは、ズバリ乗らないことにあったのです。

月に支払う燃料代は、数万円という人も中にはいるでしょう。家族みんながマイカーを持ち、支払いはお父さんの給料から天引き、なんて家庭もあったりなかったりします。

持っていれば便利な車ですが、何かとお金のかかるのは悩みの種ですね。税金からメンテナンスにかかる費用、故障すれば修理し、出かければ燃料は減ってしまう。

燃費の向上を考えるのはよいことですが、究極の節約とも言うべき方法をほとんどの人は気づいていないし、実行しようとはしない。そもそも車に乗らなければならないのかを問わなければ、答えなど見つからない。

乗る前に考えなければ、燃料をどこに捨てるか悩んでいるようなものである。どこに捨てるかを考えるより、どれだけ捨てずに済ませられるかを考えなければならない。

戦略的な乗車計画

車に乗ると便利なことは沢山あります。バスのように時間を待たずとも出発や到着の時刻を管理でき、タクシーのように料金メーターがないので、料金があがるのを気にせず乗ることができる。

時間に余裕があったり、一駅歩けるくらいの健康的な体があったり、乗らなくても問題のない場合には、極力自動車を使用しないで移動する方法をとる。

燃費がどうとかこうとか考える前に、まずは自動車に乗るか乗らないかを問わなければならないのではないでしょうか。乗る必要性こそ先に考える最優先課題です。

相乗りしたり、原付や小型バイクなどを利用するなど移動手段は、見直すだけでもたくさんあります。車に乗ることが当たり前になっていませんか。使わない場合に、いくら得をしますか。

プロとしてのプライド、プロとしての責任

素人との違いを持って

タイヤを売る側としてのタイヤ屋は、タイヤを買う側としての消費者と違いがあるのは当然であるはずですが、消費者もプロと同じくらいの知識は身に付けています。中にはプロよりもタイヤのことに詳しい人間がいるのかもしれません。そんな人にはタイヤは売れないと思ってはいけませんし、負けたと感じることもいけないのです。

プロなら素人にどうしても負けられないとプライドを持っていなければならないと思いませんか。相手がどんな人物であれ、自分が売る側で相手が買う側だったらプロとしての威厳を見せなければなりません。プロフェッショナルであることに妥協は許されないのです。ただ相手を批判したり、罵倒したりするのとは違います。相手の要求に何としても応えるという意志の問題です。

売る立場の責任

タイヤも場合によっては消費者が勝手に買っていってくれるのですが、それでも自分が相手に売るというのは、無責任に行ってはならないことなのです。いくら相手が欲しいといっていても、間違った目的で使っていたり、喜びを与えられないほど価値を得られないのなら、こちらから断ることも必要になります。

何の為にタイヤを売り、誰の為にタイヤ屋をやるのか。自分の生活の為それも否定できないが、それだけの為に何かを提供して、その対価を受け取るというのですか。価値あるものを与える、価値あるものを創造するからこそ人々は、その対価をもらい共に喜びを分かち合っているのです。そのことを知って仕事をするとやりがいも生まれますよ。

 

タイヤ選びの基礎知識