LEDの選び方
明るさ以外の大事なところ
LEDを選ぶならまず第一に明るさです。スペックに記載されているルーメン(lm)が明るさの目安です。そして光の色を決める色温度がケルビン(K)です。ハロゲンから換えれば2倍から3倍の明るさになるので、体感でわかると思います。色も6000Kくらいならハロゲンと違い白に近い色になるでしょう。口金の種類や12Vか24Vかは事前に確認した方がいいですね。
さて本題のLEDの詳細な部分ですが、細かいところは意外とたくさんあります。製品の品質や性能を決めるチップのメーカーや、本体の材質、明るさに直結する消費電力、冷却性能、冷却ファンなのかファンレスのヒートシンクなのか、取り付けは簡単にできるか、ロービームでのカットラインと呼ばれる照射範囲が綺麗に出るか。
HIDと比べても違いやメリットが多くあります。ハロゲン、HID、LEDとそれぞれの特徴を知って自分に最適なヘッドライトを選びましょう。
LEDチップメーカーについて
LEDは今では家庭用の照明やその他にも色々と使われ珍しくはありません。メーカーと言っても特別どこということはありません。多少の違いはあってもちょっと調べて名の挙がるメーカーはたぶん大丈夫です。
PHILIPS製LUXEONブランドやCREE(クリー)、OSRAM(オスラム)などがあります。有名なところでは白色LEDを開発した日亜化学工業もありますが、ヘッドランプ以外では見ますが、社外品の製品では見つけることができませんでした。
製品はたくさんありますが、使っているチップはだいたい同じものだと思います。少し調べれば出てきますし、不明なものよりも安定した品質の国産や有名なブランドを選んだ方が間違いはないような気がします。
耐久性や冷却性能を決める本体の材質
ハロゲンと比べて発熱が少ないとはいえ電気を通せば発熱します。放熱ができずにいると熱によって性能の低下が起こることがあり、寿命が縮んだりと冷却性能は重要だったりします。
熱伝導率の高いアルミなどの素材を用いることで同時に耐久性も確保し小型化や軽量化されたものもあります。安全のために冷却ファンを備えれば熱による性能低下の心配はなくなるでしょうが、ファンがあるとノイズが混じる場合があります。
ノイズは気になる人には不快に感じるので大きくしたヒートシンクのみのファンレスを選ぶのもいいですね。ファン自体の音が大きくてうるさいと感じることもあるので、静粛性をうたったものまたはファンレスがやっぱり理想ですね。
消費電力(W)について
当然ですがヘッドライトは電気を消費します。ハロゲンは55Wくらいですかね。明るいものは何W相当とかクラスとかで明るさをアピールしますが、効率がいいHIDなどは35Wでも十分な明るさを出すことができます。高効率で省電力がHIDやLEDの魅力でもあります。
ワット数(W)は高いほど明るくなります。HIDなら35Wよりも55Wが明るくなります。それはLEDも同じです。HIDよりも更に効率がいいLEDは25W程度でも十分に明るいです。明るさをアピールする製品は単純に消費電力が大きなものである場合が多いです。
逆に少ない消費電力の場合は明るいといってもハロゲンと比べてのことで、HIDやワット数の大きなものと比べると暗くなってしまいます。明るさを第一にとるか、消費電力をとって明るさはハロゲンと比べたらいい程度にするかは好みが分かれますね。純正品は省電力を狙ったものがほとんどだと感じます。
カットラインは綺麗に出てるか車検対応は?
カットラインは聞きなれない言葉ですが、車検時に行われる照射テストと言えばいいでしょうか。2015年(H27)9月からロービーム(すれ違い用前照灯)での検査に切り替わりました。対向車がまぶしくないように光が漏れないような綺麗な照射範囲が車検にも必要になりました。
綺麗なカットラインを出すにはどうすればいいか。これはヘッドライトの構造を理解しないとわからないかもしれません。特にロービームは光の反射や屈折を利用しているので、単なる光源としてのLEDバルブはモノによっては綺麗なラインを出すことができません。
ヘッドライトの構造といっても簡単に言えば上向きの光が反射して下へ、下向きの光が反射して上へ向きます。実際には立体的なので前後や左右に光が照射されます。ロービームでは下から反射して上に行く光をカットして足元とそして左の歩道を照らすようにしています。
光の向きや範囲は純正のハロゲンの光源を基準に設計されており、LEDの発光点が一致しないと狂ってしまいます。どうしても配光が綺麗にならない、カットラインが綺麗にでないという時はLEDの発光点が一致していないのかもしれませんね。その時はどんなに調整しても光軸がズレてしまい上手くいかないことがありますね。
車検に関してはカットラインが綺麗に出れば問題ないと思われます。それよりは光の色による不適合でしょうか。白色、色温度で言えば6000Kが普通で問題ないと思います。それ以上は何Kとはいえませんが、青と思われたらダメなので8000Kとか10000Kとかは注意しましょう。たぶん通りません。
HIDと比べてどうなの?
LEDヘッドライトはHIDと比べてもメリットがあります。省電力で効率がいいのは第一の特徴で一段と消費電力が少ないですね。さらにバッテリーなどの負担を軽減させたいと考えているならオススメです。
二つ目にレスポンスの良さでしょうか。HIDは起動するのに時間がかかってしまいます。明るくなるまでに少し時間がかかるんですね。でもLEDなら瞬間点灯ですぐ明るさを発揮します。レスポンスがいいということはパッシングも問題ないですね。HIDも普通にパッシングできますけどね。
なんと言っても設置性の高さ、交換作業のしやすさはHIDよりも断然いいです。回路などの本体が一体型で小型化され更に防水で面倒な配線作業がいらないとなれば設置スペースを少し確認するだけで取替え可能かは分かりますし作業時間も数分くらいでしょう。HIDだと加工や付属の回路を設置したり配線が必要になるので簡単にはいきません。
あと長寿命です。球切れが起きない訳ではないですが、車を買い替えるくらいまでは持つのではないでしょうか。30000時間とか忘れるくらい長い寿命があります。
ハイビームインジケータ点灯回路
車種によってはLEDバルブへ交換するとハイビームインジケーターが点かなくなります。その他警告灯が点いたり、逆に点かなくなったりとトラブルの可能性があります。防止する回路が内蔵されていたり、キャンセラーと呼ばれる別売りの部品が必要になることがありますが、特定の車種だと思われますので事前に調べておいたほうがいいかもしれませんね。